★-- 監督・荻久保則男の「自主上映会レポート」
先月、田舎の父が脳梗塞で入院しました。
幸いにも一命はとりとめ、現在はリハビリに取り組んでいます。
立ち上がること、しゃべること、動かない方の腕を、手をうごかすこと・・・。
あまりお見舞いに行けない、親不孝者の私ですが、
お見舞いに行くたび、父も母も喜んでくれます。
家に帰り、子孫へのラブレター(スマホの自撮りで特定の人物への遺言動画を撮影すること)
をやったり、エネルギーボールを送ったり・・・ただ祈ることしかできない私です。
しかし、祈るたびに、私はいつも思い知るのです。
どんなに私は家族に愛されていたのか、どんなに私は家族のことを愛していたのかを。
短い時間に父や母、妹夫婦や親戚と話をすることが、かけがえのない幸せな時間であると、
つくづく想うのです。
泣きながら父や母をにらみつけたこともありました。
理不尽と感じる怒りをぶつけられたこともありました。
他の子どもが当然のようにもっているのに、私だけがもっていないものがあると、
泣きながら訴えたこともありました。
でも、私は絶えず、1秒も途切れることなく、無条件の愛情を父や母からずっといただいていた。
だから、今、私は生きていられる。
田舎を出て、一人暮らしをはじめて、辛かったこと、寂しい思いをしたこと、悔しかったこと、
たくさん経験したけれど、父や母が毎日私のことを想い、祈ってくれていたこと、実感していました。
今、私自身が無力感を感じそうになりながらも必死で父や母に祈りを捧げて、
はじめてわかったことがあります。
このくらい本気で、このくらい一生懸命に、私の両親はずっと私に祈りを捧げてくれていたのだな、と。
病床の父を抱きしめたとき、自然と言葉が出ました。
「育ててくれてありがとうございます。世の中の役に立ちます。」
ずっとずっと父に聞いてもらいたかったひとことだったのかもしれません。
なぜなのでしょう。
なぜ、こんな側から見たら不幸に見える環境にあるかもしれないのに、
私はかつてない幸せを実感しているのでしょう。
今朝、母が入院することになったと電話をもらいました。
腰骨の不具合で痛みがひどく、検査をしながら入院する必要があるとのことでした。
お腹が痛いと言っていたので、とても不安でしたが、原因がわかって一安心しました。
愛情を注いでずっと見守り育ててくれたことへの感謝の気持ちを伝え、
祈りを捧げることができることが、どんなにありがたいことか、身にしみて感じています。
見えないけれど、大切なもの。
改めて確信しました。
私は両親を選んで生まれてきた。
生んでくださってありがとうございます。
育ててくださってありがとうございます。
見守ってくださりありがとうございます。
途切れることのない、尊いお祈りをありがとうございます。
いつもメールマガジンをお読みいただき、本当にありがとうございます。
「かみさま との やくそく」監督:荻久保 則男
今日届いたメルマガに記載されていた
荻久保監督からのメッセージ。
監督は、世界一腰の低い監督として有名なのですが
このメッセージもとっても素敵だったので
アップさせて頂きました
気取らない
少年の様なお顔をした監督です