何気なくすぐ目につく所に置きっぱなしだった
生前父が実家で一人でベッドに寝ているときに鳴らしていた簡易ラジオ。
乾電池を入れてみたらチャンと機能した。
父は結核で入院するまでの間
母は体調不良で市民病院とショートステイ施設でお世話になり
我が家にやってきたので、実家で独り。
退院してきてから半年は実家で
ヘルパーさんの力を借りながら一人で頑張っていた。
脊椎圧迫骨折で入院をしてからは
老健で1年半お世話になって
頭の血管が詰まって亡くなったのだが
ラジオの音を聞いて
父の寂しさが伝わってきた。
実家でほとんど一人でベッドで横になっているとき
ラジオは寂しさを紛らわせる為につけていたのではないだろうか・・・
私が時々感じていたのは
寂しさではなく悲しみだった。
時として嗚咽するほどの悲しみを感じてしまうのだ。
